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2025秋華賞

2025.10.21

ブラウンラチェットの秋華賞挑戦は、希望していた内枠を引き当て、さらに雨予報も外れて良馬場開催。まるで、すべての運がこちらに向き始めたかのような感覚でレース当日を迎えました。
 
思えば、チェルヴィニアで秋華賞を制したのは、ちょうど一年前。

そして今年、奇しくも同じ馬番を引き当て、否応なく運命を感じずにはいられませんでした。
 
夏競馬から続いていた馬券不振も、今週はようやく光が見え、秋の訪れとともに流れが変わりつつある気配。この週末は、すべてが良い方向に動いているように思えたのです。
 

 
同日の他場では、ハーモニーソングが秋初戦。距離が合わず惨敗でしたが、次走こそ本領を見せてくれるはず。
発表されたブラウンラチェットの馬体重は440kg――ギリギリですが、これ以上は減らしたくない理想的な数字。
パドックでは全体的にテンションの高い馬が多く、一筋縄ではいかないレースになる予感がしました。
 

 
1番人気のカムニャクは馬体・動きともに抜群でしたが、眼のギラつきが気になります。
エンブロイダリーは歯軋りが聞こえた気もしましたが、過度な昂りではなさそう。
そして我がブラウンラチェット――悪くない。いや、むしろオークスの時よりも凄く良く見える。
これはもしかして……そんな淡い期待が胸に灯ります。
 

 
スタート前、カムニャクのテンションが異様に高く、スタンドがざわつき始めました。
 
ゲートが開くと、ラチェットは格好の悪いスタートを切り、我を忘れたように走り出します。
わずか15秒で「今日は厳しい」と悟りました。2コーナーを過ぎたあたりで異変を感じ、直線に入る頃には走ることを止め、歩いてゴールに向かいます。
 
レースは、直線半ばで友人の愛馬・エンブロイダリーが2度目の栄光へと駆け抜けていきました。
歓喜の声を遠くに聞きながら、私はただ、ゆっくりと戻ってくるブラウンラチェットを見つめていました。
馬運車を待つ間の時間の長いこと。
それでも、自らの脚で車に乗り込む姿を見て、胸をなで下ろしました。
 
20時に帰宅。体の芯から抜けるような疲労感に襲われました。
ファンド馬である以上、彼女は復帰に向けて再び動き出すでしょう。ただ、その道のりは決して平坦ではありません。
 
連勝で重賞を制し、GⅠの舞台で夢を見せてくれたあの日々。今はただ、無事に競走馬としてターフへ戻ってきてくれることを祈るばかりです。
 
彼女の未来を、そして再び夢を見られる日を信じて。

 

 

 

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