凱旋門賞観戦記2025

2025.10.08

6年前の忘れ物を取りにフランスへ――。
けれど結果は、取り戻すどころか、またひとつ落とし物を増やして帰ってくることになりました。
それでも、近いうちに必ず回収しに行こう。そんな決意を胸に帰国しました。
 
戦争の影響で、行きの航路はアラスカ上空を回るルート。15時間近いフライトも、思いのほか苦にならず、ハリー・ポッターを観ては眠り、目を覚ませばパリの空でした。
 
前日は2度目のルーヴル美術館に加え、オペラ座やサント・シャペルなどを巡り、地下鉄の構内には、翌日のレースを告げるポスターも貼られていました。
 
地下鉄で見つけた広告

 
ルーヴル美術館

 

 

 

 
オペラ座

 

 
当日、11時過ぎに競馬場へ。
今回は身の丈に合わぬVIPチケットを奮発。行列に並ばずに入場でき、豪華なコースランチを堪能。
食事を終えると、クラブのスタッフと合流し、クロワデュノールの応援用ポケットチーフを受け取り、口取り集合場所を確認しました。
 
車中から凱旋門を見つつ競馬場へ

 
6年ぶりでも美しいままのロンシャン競馬場

 
風に飛ばされがちな勝負服

 
スタンドは観戦しやすく日本も参考にして欲しい

 
メインレースは第5競走。
あっという間に、その時がやって来ます。
パドックで見たクロワデュノールは落ち着き払っていて、見た目も抜群。
騎乗を確認してスタンド3階から馬場入りを見守ると――嫌な記憶が蘇ります。
 
パドックでは落ち着いて良い雰囲気

 
6年前と同じ。
日本馬だけが、チャカチャカと落ち着かない。
粘り気のある馬場か、走る気の強さゆえか。
この“気負い”が、レースでハミを取ってしまう原因なのだと思いました。
 
好スタートを切りながらも内に入れず、終始前に馬を置けない展開。序盤2ハロンで、すでに厳しいと悟りました。6年前よりは少しマシでしたが、直線に向く頃には勝負あった。馬群に沈みながらのゴール――現実は甘くありません。
それでも、「無事に走り切って戻ってきてほしい」という願いは叶いました。
 
レース後、ゆっくりとでも帰って来てくれました

 
今年は、自分と向き合いながらレースを待ちました。
ネガティブな言葉は口にしないよう努めましたが、パリ行きのフライト直前に“17番枠”を知った瞬間、
内心では敗戦を覚悟せざるを得ませんでした。
思えば、東スポ杯で馬体重504kgを見たときから、凱旋門賞制覇の夢は少しずつ遠のいていたのかもしれません。
 
それでも――。
「凱旋門賞を勝つために出資した馬」が、実際にその舞台に立った。
この奇跡を目の当たりにできたことは、何ものにも代えがたい幸せです。人生の楽しみが、また一つ残った。そう思う事にします。
 
ここまで来た以上、何としても凱旋門賞を獲りたい。2度目の挑戦まで6年。3度目は、もっと短い間隔で行けるように。
想像ですが、今回ノーザンファームがチャンスを感じていたのは5着のビザンチンドリームの方だったでしょう。その手応えを掴んだ今、彼らは近い将来、きっと勝ちます。
その瞬間に自分も一枚噛めるよう、これからも努力を続けます。
そして何より――運を引き寄せる人間にならなければ。
 
最後に、自分なりの“勝つための理想像”を。
 
470kg未満の軽量馬(6年前からの持論)

折り合いの不安が一切ない

芝1800m以下の重賞勝ち馬

内枠を引く運

騎手165cm以上(仮説)
 
次こそは、この条件を満たす馬で、凱旋門賞の頂を獲りに行きます。

 

 

  • マナ より:

    お疲れ様でした。
    天候、枠、展開。全て噛み合ってこそですね。
    その運を持ち合わせた馬に巡り合えますように。

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