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第92回 日本ダービー

2025.06.03


少し寝不足ではありましたが、朝から東京競馬場へ向かいました。この日はメインレースに大一番が控えており、馬券の予想などにはなかなか気が回らず、ただ“その時”が来るのを静かに待つことしかできません。
 
昼を過ぎた頃、中継でアップステートの復帰戦を応援し、第8レースが終わる頃には、胸の高鳴りが一層強まり、いよいよだという緊張感に包まれます。

パドックもすでに多くの人で賑わっており、良い場所を確保するには、30分以上も日差しの中で我慢を強いられました。しかし、それすらも特別な時間に思えます。
 
電光掲示板に第10レースが映し出され、それが終われば、いよいよ各馬の登場です。そして、クロワデュノールが姿を現し周回が進む中で、思わず笑ってしまいました。それほどまでに、仕上がりは素晴らしく、胸に抱いていた緊張も少しずつ和らいでいきました。

 

ファンファーレが鳴り響くと、場内の空気が少し静まり、全人馬の無事を祈り、枠入りの様子を見守ります。さぁスタート!あとはクロワデュノールと北村騎手、そして幸運を信じるだけです。

レースでは、先頭に立ってからの時間が非常に長く感じられました。すでに頑張っている人馬に「頑張れ!」と言うのも滑稽かもしれませんが、喉が潰れてしまうほどに声を張り上げ、「頑張れ!」と叫んでしまいます。
 
そして、ついにその時が訪れました。クロワデュノールと北村友一騎手は1着でゴール板を駆け抜け、私は検量室前でその姿を出迎えました。4年前、コロナ禍で叶わなかった芝コースでのダービー口取りが、ついに実現したのです。
 
まるで夢のような、日本ダービーでした。奇跡のようで、けれども確かに現実のもので、これ以上ない幸せを味わわせていただきました。
 
しばらくはこの余韻に浸っていたいと思います。ただ、きっとまた勝ちたくなるのでしょう。GⅠ勝利とは、それほどまでに強い中毒性を持つものですから。

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